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zoom RSS 江戸川乱歩の陰獣 ネタバレ注意

<<   作成日時 : 2011/05/01 19:50   >>

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 1977年に松竹で公開された加藤泰監督作です。江戸川乱歩の陰獣が原作です。

 寒川(あおい輝彦)は本格探偵作家であった。彼は最近エログロを書く大江春泥という作家を軽蔑していた。仏像の展覧会を見回っていると小山田静子(香山美子)を見かける。彼女の背中にミミズ腫れがちらりと見えた。

 陰獣の主な登場人物は主人公と静子、そしてその夫の六郎(大友柳太郎)、そして運転手(尾藤イサオ)くらいしかしゃべっていない。しかし映画はそれだけの配役だけで撮れるわけがなく、オリキャラがいろいろ出るわけだが、そのどれらがまったく不自然さを感じさせないのだ。

 編集者の本田を若山富三郎さんが演じているが、本田は春泥の居所を調べるだけでなく、寒川から原稿を取りに言ったりと味のある演技をしてます。

 さらにオリキャラにヘレンという外国人が出てきますが、彼女は日本人で田口久美さんといいます。日米のハーフでアメリカ人と言っても通じる女性です。ヘレンは六郎氏と碁を打ちます。六郎氏が碁を打つのは原作どおりですが、ヘレンと碁石を基盤に打っていると、だんだん鞭の音に変換されていきます。ここがすごい迫力があります。

 寒川は静子と出会い、彼女から大江春泥の関係を聞かされる。春泥のよこした手紙をあおいさんが読む姿は鬼気が迫っています。春泥に対する嫌悪感をけれんみたっぷりに演じております。

 香山さんは顔が白粉で白くなってます。その人が作中で鞭で打たれるのだから迫力がある。和服美人が鞭で打たれる姿は欲情します。まあ鞭で打たれるだけですけどね。

 六郎は殺されますが、その死体の発見状態が不気味です。何しろ一銭蒸気の切符売り場で菅井きんがボケばあさんを演じ、係員の藤岡琢也とほのぼの喜劇を演じてましたが、便所、汲み取り式ではなく、汚物を川に直接捨てるもので、菅井さんが用を足そうとしたらその下に死体が漂っていたのだ。喜劇から惨劇に変わる瞬間が不気味で怖かった。

 見世物小屋で首がなくなるピエロや、パノラマ館で前衛舞踏を演じる花柳幻舟などが出てます。花柳さんは何もせず、川津祐介さんが殺されたほうが印象的でした。前衛舞踏と聞くと土方巽を思い出しますが、他に誰がいたかな?他にも寒川の作品が映画化(原作は湖畔亭事件)され、倍賞美津子さんや加賀まりこさんが出演しています。
  
 生前この作品はサドマゾ映画でひどいエロとグロだと批判されたらしい。真説金田一耕助で横溝正史先生は前評判を聞いて不安がっていたが、実際に作品を見て満足したと言う。しかし知人から聞いた話では当時新聞で横溝先生はがっかりしたと書いてあったそうだ。実際に見てみるととても面白かった。エロとグロが混じっているが、決して無意味ではなく、きちんとした演出なのである。

 乱歩作品の屋根裏の散歩者など乱歩ネタを多彩に仕込み、効果的に演出しております。乱歩ファンは一度見てみるといいでしょう。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この作品は丁寧に作られていますよね。
拙サイトにも掲載したとおり、個人的には高得点!
サイケおやじ
2011/05/05 06:57
はい。役者もうまいし、構成も無理がありません。エログロというより、人間の怖さがにじみ出た作品だと思います。
江保場狂壱
2011/05/05 10:56
江戸川乱歩の陰獣 ネタバレ注意 江保場公園/BIGLOBEウェブリブログ
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