ねじ式 ネタバレ注意

1998年つげ義春先生の漫画を原作とし、石井輝男監督が映画化しました。

原作を読んでいますが、あの作品は長編映画にするには無理があると思った。実際原作部分は最後あたりで登場し、しかも原作と忠実であった。

オープニングは舞踏アスベスト館による舞踏で始まる。
女性はふんどし一丁で四つんばいになり真っ白な尻をさらけ出し、男のほうはブリッジをしながらねちょねちょみたいな気持ち悪いものをつけて、獣の咆哮を繰り返すのであった。
ちなみにアスベスト館の元藤火華子は故土方巽の再婚した奥さんである。
石井監督と土方巽暗黒舞踏は縁が深いのである。ただし、土方巽を知らないと冒頭で挫折する可能性は高い。初心者にはつらいのである。

主人公はツベといい貸し本の漫画家である。浅野忠信さんが演じている。ツベはつげ先生がモデルだろう。先生も貸し本を描いてましたから。
貸し本とは大体50年前にあったお金を払って本を借りるレンタル屋みたいなものです。昔は本を買う余裕がないので借りていたそうです。もっとも生活にゆとりができると貸し本屋は軒並み潰れたそうです。

ツベには国子(藤谷美紀)という奥さんがいた。藤谷さんはるろうに剣心の神谷薫役で有名です。彼女は世田谷区の会社の寮で寮母を務めることになった。ツベは家賃が払えないのでアパートを追い出され、木本(金山一彦)の部屋に転がり込む。
国子はそれなりに充実した生活で、月賦でテレビを買ったと自慢してる。ツベは国子がトイレに行くとカバンを開き金を探すが、避妊具を見つけた。嫉妬に狂うも口に出せないツベ。
相変わらずダメ人間として過ごすツベに、国子は妊娠したと告げる。相手は冴えない男だそうだ。二人は結局破局。ツベは国子からもらった金で睡眠薬自殺を図る。

結局助かるツベ。家主の丹波哲郎も心配して見舞いに来る。べらんめい口調で、ツベにおむつを履かせようとして突き飛ばされた看護婦(藤森夕子)の胸を触ってにやけ顔を作る丹波さんに新鮮さを感じた。
ツベは寝ぼけながらトイレで小便をするが、看護婦の顔に思いっきりかける。あまりの量の多さに卑猥さよりも笑いがこみ上げてきた。

退院後、ツベは魚釣りに行く。その途中、もっきりやの少女(つぐみ)と出会う。ツベと彼女の会話はなんとなくつげ先生らしい間の取り方だと思った。
ちなみに彼女は一銭五厘で売られたらしい。ちなみに戦時中は赤紙こと召集令状のことをそういうそうだ。自分でみじめだといっても、惨めには思えない。
彼女は少々頭が足りなさそうだ。店の客相手に乳首を揉ませて我慢したら都会で赤い靴を買ってもらう約束をしていた。これまで何度も失敗していたが、今回も失敗した。

次にツベは海に来る。その間ヌードの女(青葉ミカ)が登場。自らの体を地図に例える。意味不明。
終電も出て、止まるところを探そうとしたら駅員(砂塚秀夫、昨日観た網走番外地望郷編に田所役で出ていた)の紹介でやなぎ屋食堂を案内してもらう。この店では母親(三輪禮子)と娘(藤田むつみ)で切り盛りしていた。ちなみにふたりは石井監督プロデュース作品三作に全部出てる。丹波さんもね。
その作品は今作と地獄、盲獣対一寸法師である。
ツベは娘とやってしまう。ツベは幸せそうな妄想に耽っていたが、一年後に会いに行けば彼女はすっかり忘れていた。なんとなく物悲しくなったツベは海岸に行き、猫を相手にハマグリを焼いて食べて楽しんだ。

そしてここからが本編。ほぼ原作と忠実な展開です。
画面はオレンジ色で、声もなんかエフェクトがかかってました。
ロイド眼鏡の男は原マスミさん。「イシャはどこだ!!」というおじさんですよ。
金太郎飴売りのおばさんは清川虹子さん。石井監督の作品によく出演していました。私が見た作品では見たことないけど。
女医は水木薫さん。無頼平野で春子役で出てました。

最後はまたアスベストの前衛舞踏でおしまい。獣みたいに叫び、獣みたいに這い回る姿は不気味です。不気味ですが、つげ先生の雰囲気に合っていると思います。
つげ先生はかつて水木しげる先生のアシスタントを勤めていました。水木先生は女性キャラを描くのが苦手でつげ先生が代わりに描いていました。
水木先生の作風はシニカルで墓場鬼太郎を読んだことがありますが、現代にも通じる作風です。師匠の作風に似ているのか、つげ先生自身もシニカルな作風です。弟のつげ忠男さんもそれに近いです。無頼平野でね。

ねじ式にいい評判は聞かないので不安でしたが、結構楽しめました。
浅野さんの無気力そうな演技もツボです。
つげ先生の作品を読んでないと内容についていけないと思います。


ねじ式 [DVD]
ケイエスエス
2003-03-28

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